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    室内楽ワークショップ

    2015/04/06

    本日はピアノハープ社ギャラリーにて、多喜 靖美先生によるピティナステップの説明会と室内楽のワークショップ。

    多喜先生には以前東京でリサイタル前にレッスンしていただいたこともあり、本日の熊本でのワークショップを楽しみにしていました。
    気さくなお人柄で、的確なアドバイスには大変助けられ、演奏会前に気が楽になったのを覚えています。

    本日はチェロとピアノのアンサンブルで、室内楽がピアノソロ演奏にもたらす影響も含め、短時間の中で凝縮した話がたくさん聞けたことに感謝です。

    印象に残ったのは、

    長い音符に動きを感じる

    例えば二分音符などの長い音価をピアノで弾いた際に、弾く瞬間は意識しても弾いた後はなかなか意識しないというピアノ演奏者の特徴。
    次の音へつなげるためには常に耳は止まらずに他の奏者の音を聴いていなければならないという点。
    そうすることで、次の音が変わるというお話には納得でした。

    弦のクレッシェンド、デクレッシェンドを一緒に共有する

    弦楽器はどのようにして音が出ているのか、弓の使い方や圧力のかけ方など唯一目で確認できる楽器であり、その強弱のかけ方を一緒にピアノ奏者も感じることで、音のつながりをより感じることができるということ。

    「拍子感に支配された和声をメロディが彩る」

    という多喜先生のコメント。
    普段のレッスンで和声進行を取り入れている生徒さんも多いのですが、いかにそれが大切か、楽譜を読み込めば読み込むほど色々なことが見えてくるのがクラシックの面白さや魅力でもあり、本日一番印象に残った言葉でした。

    それからアンサンブルは楽しい!の一言に尽きると思います。
    今年から熊本でも多喜先生の室内楽セミナーが開催されるとのこと、是非継続して参加したいと思います。

    そして、生徒さんにも是非その楽しさや室内楽の魅力を感じていただきたく、いずれ何らかの形で企画したいと思っていた矢先、来年1月に室内楽のピティナステップが開催されるという情報。
    今後の展開に期待したいと思います。
    実に収穫の多いワークショップでした。

    Elisso Virsaladze マスタークラス

    2015/02/27

    昨日、東京音大100周年記念ホールにて、エリソ・ヴィルサラーゼのマスタークラスが開催されました。
    通院後ダッシュで会場へ。ぎりぎり間に合いました。

    前半はリサイタル形式で All Chopinプログラム。
    演奏を堪能した後、学生の方の「プレリュードOp.28」の公開マスタークラスでした。

    彼女の演奏は、力強いポロネーズ第7番 Op.61に始まり、ピアノソナタ第3番では高音の繊細なタッチに会場中がうっとりと酔いしれ、おまけにアンコール2曲まで満喫♪
    彼女の初めの印象と演奏後のイメージが変わり、より一層興味が増しました。
    拍手喝采の後、マスタークラスへ。

    エリソ ヴィルサラーゼさんは、トビリシ(グルジア)の芸術一家に育ち、祖母よりピアノの手ほどきを受けた方。
    20歳でチャイコフスキーピアノコンクールで第3位、24歳でシューマンコンクールにて優勝。
    ヨーロッパ主要都市で演奏活動の他、著名な国際コンクール審査員として招かれるなど、世界的に活躍される方の公開レッスン、どのような視点でレッスンされるのか大変興味深く、以前より楽しみにしていました。

    まず印象的だったのは、学生の方の演奏に対しアドバイスが的確ではっきりとしており、まず作品の全体像を捉え、それを創り上げるに至り細かい点まで彼女の持つテクニック、表現のイメージ全てを伝えるがごとく指導されていた点。

    よくアドバイスされていのが、「時間の作り方」でした。
    全体的時間の流れを自由に作り上げていく点、また時間を要するハーモニーなど様々な点から曲の流れを表現していくテクニックは素晴らしく、演奏・指導両面において大変参考になりました。

    時間の都合上最後まで聴けなかったのが残念でしたが、プレリュードは音の数が少なく、1音ずつが大切な音であり、それをどのような音で演奏するのか、左右の役割やハーモニーの変わり目の弾き方、同じ強弱においてもどう変化をつけていくのか、それらの様々な投げかけに課題を得て、改めて彼女の偉大さを実感し、充実したマスタークラスとなりました。

    その後、以前の生徒さんにもお会いすることができ、久々の再会に積もる話の数々、充実した時間となりました。
    今でもピアノを続けていただいていることは大変嬉しいことです♪

    練習量を減らす脳の使い方

    2014/08/24

    昨日、東京音大にて「音楽家の為の脳教育」~練習量を減らす脳の使い方~と題し、脳科学、身体運動学の分野で研究を行っていらっしゃる第一人者 古屋 晋一先生のセミナーが開催されました。
    当初は、作曲家・ピアニストの土田 英介先生のベートーベン初期ソナタのレクチャーと2本立てで行われる予定でしたが、急遽体調不良で内容が変更になったものの、以前古屋先生の著書「ピアニストの脳を科学する」を読んでから興味のあった分野だけに、大変内容の濃い、有益で指導にも演奏にも役立つお話が盛りだくさんで、素晴らしいセミナーでした。

    今回のセミナーでは、ピアノを演奏する方、それに関わる方全てにおいて大切な事柄ばかりでしたが、その中からいくつかを挙げてまとめてみたいと思います。

    まず、ピアノをただやみくもに練習するのではなく、最適な練習をすることが時間的にも身体の使い方においても、はたまた人生においてもいかに大切かが分かりました。

    何かを極めるためには1万時間の法則がありますが、ただ長時間練習すればいい訳ではなく、反対に恐ろしいことに、長時間の反復練習(1日4時間以上)を繰り返すと、ジストニア(脳疾患の一種で、思うように指などがコントロールできなくなる病気)などの病気を発症する可能性が高くなるということです。

    さて、練習の質を高め、年齢とともに少ない時間で上達していくには、頭を使うということです。
    演奏に必要な能力は、読譜力、暗譜、初見など様々なものがありますが、先ずは記憶に関する“暗譜”から。

    暗譜するには、視覚・聴覚・触覚(タッチ)・筋感覚などの各チャネルを使いますが、本番でとんでしまうのは、これが触覚だけなどに偏った場合に起きます。
    中でも聴覚が一番有効で、時間がない時などは、耳で覚えるのが指で覚えるよりも効果的との事。
    ただ、耳に頼りすぎて楽譜を読まないのは本末転倒で、あくまでも優先順位としては、ということだと思います。

    記憶の過程では、

    増強ー干渉ー保持ー呼び出し

    があり、

    干渉
    あるパッセージの後、全く別のパッセージを弾くと、前のパッセージを忘れてしまうなどの干渉が起こります。
    そういう場合は、こまめに休憩を取ったり、レム睡眠を入れる、また練習方法として同じメロディであればリズム変えをするなどすれば記憶が定着しやすくなるとの事。
    何もしていない時でも脳は働いており、時間とともに記憶は定着していきますので、ピアノを弾いていない時に演奏を映像で見聴きしたり、楽譜を読んだり、それを口に出して言うなど、イメージトレーニングをすることで暗譜は飛びにくく、ミスが減るということ。
    更に重要なのは、イメージする際に感情も込めるということ。

    記憶の保持
    報酬を与える(褒められる)と効果が高まる
    罰を与えられる(怒られる)と効果は弱まる

    これは指導者にも保護者の方々にもサポートする上で大変関係ある事柄で、指導者としては練習の面白さや醍醐味を教え、保護者の方は練習の励みになるよう、その子が独り立ちできるまではご自宅で是非共に関わり合いながらサポートしていただきたいということです。

    後に述べますが、今脳を鍛え、効果的な練習をするということは、将来少ない時間で上手くなるという未来への投資であり、大人になってその子の大きな財産になるということ。

    呼び出しと再強化
    よくやりがちですが、本場直前に舞台袖で楽譜を見返したり指を動かしたりすると、記憶が一時的に不安定になるということ。
    ゆっくり、丁寧に思い出せば不安定になりにくいそうですが、曲を寝かせることが大事で、呼び起こす→寝かせる→呼び起こすことを繰り返すことで強固になるようです。

    脳というのは、反復されることで記憶が強固になっていきますので、ピアノ練習で注意したいことは沢山ありますが、中でも姿勢に関してはとても重要で、変な姿勢での練習を繰り返すと、なかなか直り辛くなり、演奏でも良い音が出せず支障が出てきます。

    また、早く弾いてリズムが崩れるのも然りで、上手く弾けない練習をしているようなもの。
    “フィッツの法則”で、「速度と正確性は反比例する」というのがあるそうですが、早く弾いて正確性が落ちると、

    脳はカバーしようとする→筋肉を固める→力んで弾く→30秒で疲労→筋肉を痛める

    そんな悪循環になってしまうようで、そんな時はゆっくり弾けるテンポから練習し、あるテンポで力まずに意識せずに思い通りに弾けた時、オートモードになるようです。
    反復練習はやり方を間違えるとそれを脳が記憶し大変なことになりますが、スキルの維持には必要ですので、疲れたら休む!のが必須です。

    舞台も経験
    ただ練習しレッスンを受けるだけではなく、一度舞台に立つことがいかに大切かということはなかなか口で説明しにくいのですが、ピアノを続けていく過程で目標となるのが発表会などの舞台経験です。
    例え失敗したとしても、次に活かすことでそのデータが蓄積され、必要な時にその記憶を呼び起こして使えるようになり、タッチの異なるピアノや音響など、いつもと異なる環境でも対応できるようになってきます。
    舞台経験が多ければ多いほど良いというのは、上達する上で必須なのです。

    まだまだ書き切れませんが、とにかくピアノは最低でも5年、欲を言えば10年は続けなければ成果が出ない息の長い習い事です。
    ほんの2~3年でやめてしまうのは、後々を考えても大変もったいないことなのです。
    練習に身が入らない時もあるでしょうし、すぐにできるようにならなくても時間をかけて身に付いていくものですので、是非長い目でみてサポートしていただきたいと心から思います。

    今努力して身に付いているものは、一生ものなのです。
    いつ始めるかも大事な要素ですが、小さい頃の吸収力、上達スピードは大きくなってからではとても追いつきません。
    今が一番上達できるチャンスなのです。

    ピアノの中を覗いてみよう!!

    2014/08/04

    昨日、ピアノハープ社ギャラリーにて、調律師の方による「ピアノの中身をのぞいちゃおう!」の企画が開催され、行って参りました。
    普段はなかなか見ることのできないピアノの中身。
    中はどんな仕組みになっているのか、生徒さんも興味津々。
    それぞれのメーカーの特徴やペダルの仕組みなど、演奏に活かせる内容盛りだくさんで収穫の多いイベントでした。
    もっと上達したい!!と思っている生徒さん、必見の内容です♪

    中でも一番興味深かったのは、周波数に関する内容でした。
    人間の耳で聞き取れる周波数は限界がありますが、それを言語に括った場合、日本、ドイツ、イギリス、ロシアなど国別に大きな違いがあり、母音、子音ともに種類の少ない日本語は125-〜1500Hz

    ドイツ語 125〜3000Hz
    英語 2000〜12000Hz
    ロシア語 125〜8000Hz

    という内容でした。
    日本人がなぜ英語が苦手かという話に結びついてくると思いますが、概してロシア人が語学に堪能というのはこのパスバンド(passband)と呼ばれる通過帯域が関係しているようです。
    これは耳を使うピアノ演奏でも関与してくるもので、高周波を多く含むモーツァルトなどの音楽を聴くと心地良くなったり、自分で音色を作り出さなければならないピアノ演奏者は、良い耳をもつことが上達の早道と言っても過言ではなさそうです。

    他にもヤマハグランドピアノの弦、ハンマーをヨーロッパ製にカスタマイズした3台のピアノの弾き比べなど、大変興味深い内容で実にあっという間に時間が過ぎ、大変勉強になりました。
    ピアノ学習者のみならず、ピアノがお好きな方でしたら間違いなく楽しめる、且つためになる内容で、ますますピアノの魅力を感じた1日でした。
    第2回目が8月10日(日)に開催されるようですので、ご興味がお有りの方は問い合わせてみられてはいかがでしょうか?
    技術者及びスタッフの皆様、大変お世話になりました。

    ポピュラーピアノ講座

    2014/06/20

    本日はヤマハ銀座にて、秋谷えりこ先生によるポピュラーピアノ アレンジセミナー。
    秋谷先生といえば、トップアーティストとのレコーディングや、CM、TV番組など様々な楽曲作曲、編曲と世界で幅広くご活躍の先生です。

    こじんまりしたサロン風のホールですが、真っ赤な椅子が素敵で、センスが良いです♪


    今回は、主にピアノソロのアレンジ手法を色々とレクチャーしていただきました。
    先生の話はとても興味深いものが多く、中でも、クラシックピアノコンクールで入賞を果たした知人が、アンコールにJAZZをしかもアドリブで演奏した話から、今後はクラシックとJAZZなど相反するとされていた音楽が融合され、あらゆるジャンルが垣根なく音楽として受け入れられる日が近いのでは、またプレイヤーや指導者も、一つのジャンルにとらわれることなく、様々なジャンルに対応できなくては、と正に仰る通り、納得です。

    様々なアレンジのポイントを短時間で効率良く教えていただきましたが、そうそう2時間で語れる内容ではないことは承知の上、取りかかるきっかけを与えていただいたように思います。

    作曲は建築でいう設計のようもので、アレンジはそれに伴う装飾の部分、もとがしっかりしていれば、いかようにもアレンジ可能であり、またシンプルであればある程アレンジしがいがあるとのこと。
    また、アレンジ手法も多岐に渡る知識が必要で、その知識の組み合わせによって出来栄えが変わってきますが、これは例えばスタイリストやディスプレイヤーなど他の職業にも共通するものがあると仰っていました。

    また、そのジャンルの音楽のルーツや歴史を知ることでリズムや音楽の構成を理解できる部分があったり、これは普段のレッスンでも応用していけるなあと感じました。
    生徒さんの好みや特性をいち早くキャッチし、素養を見極めることも大事で、私達指導者の大事な役割でもあるというお話は、実に共感です。

    最後にもう一つ、印象に残った言葉。
    「暗譜」とは、ただやみくもに覚えるのではなく、身体に入れていくというお話。
    “心の深くに入れた音楽は、相手の心深いところに届く。”

    普段のレッスンでは、何故暗譜するのかという話をあまりしていなかったような、、。
    特に発表会前などは、こちらの必死さが伝わってか半ば焦って暗譜するという構図もあったかもしれません。
    きちんと納得できる理由を説明し、伝えていかなくてはと、言葉の選び方、伝え方を再度見直すきっかけとなり、収穫の多い充実したセミナーとなりました。

    ソルフェージュ講座終了!

    2014/04/27

    本日、ソルフェージュのグループレッスンを3部制で行いました。
    少人数にて普段はなかなか顔を合わせる機会のないお友達同士が集まり、和気あいあいと楽しい雰囲気の中、あっという間の時間となりました。

    先ずは、予め課題として出しておいた楽譜の「間違いさがし」の答え合わせから♪
    ムジカノーヴァ掲載のレッスンアイテムですが、よーく見ないと見つからない、結構大人でも時間を要します(笑)

    みんなよく見つけてきてくれました!
    全部で20個、普段からよく楽譜を見れていると、おかしな間違いに気付きやすいです。

    全て見つかったら、今度は拍子当てクイズ♪

    普段から拍子を意識することは物凄く大事で、拍子が意識できると、自然とリズム感も良くなります。
    普段の練習でも、より拍子を意識してみましょう♪

    そして最後は、カデンツ (和音進行)の中でも基本的なⅠ(1度)ーⅤ7(属七 ぞくしち)を曲に合わせて様々な調で弾いてみました。
    和声進行やコード進行のパターンをつかむと、ぐっと曲の理解が早くなります。

    まずはごく基本的な内容でのスタートでしたが、今後は応用・発展させ、譜読みや演奏などに役立つ内容をまた企画していきたいと思います。
    こんな講座があったら受けてみたい!などご要望がございましたら、是非お知らせください!

    皆さん、今日は本当にお疲れさまでした♪

    アレクサンダー・テクニーク

    2014/03/02

    身体の使い方や意識の向け方を変えるだけで、日常の動作や演奏が楽になる、アレクサンダー・テクニーク。
    オーストラリアのFrederick Matthias Alexander(1869年 – 1955年)により発見され、自己の無意識的な癖をなくすことで改善に導く方法として、楽器演奏やスポーツ、武道、演劇など幅広く取り入れられています。

    通院の後、少し気分転換をしてから会場の杉並公会堂へ。
    数年前にリサイタルをした懐かしい会場では、やはり楽器演奏において何らかの違和感や痛みをもつ方々と共に、充実した時間が過ごせました。

    そもそも、身体の構造から理解する必要があり、骨格や筋肉、動作中にどの筋肉を使っているのかに意識を向け、イメージしていきます。
    色々な気づきや発見があり、普段何気なく使っている筋肉や力の方向、アレクサンダー・テクニークの特徴である、力の通り道をふさがないということ、打鍵した後の鍵盤からの反作用を分散させるということなど、イメージの持ち方によって身体が楽になったのは大きな収穫でした。

    このプロセスを繰り返すことで、脳で汎化が行われ確実に身につけていくことが目標ですが、ピアノ演奏と脳との繋がり、まだ解明されていない部分もありますが、関連深いことは確かです。
    今まで、関連本を読んでもいまいちピンとこなかった部分が、ほんの少し理解できたような気がします。
    これを継続することで、更に楽に、また指導に活かしていきたいなと思います。

    ピアノ解体新書 行ってきました!!

    2013/08/18

    本日、県立劇場にて中川ハカセのピアノ解体新書が行われました。
    ピアニスト 中川賢一さんの演奏に始まり、ピアノの仕組みや振動で音が伝わる様子を、体験を交えながら分かりやすくレクチャーしていただきました。
    アクションは普段なかなか見ることができないため、会場からはワーっと歓声が!!
    アクションモデルの展示もあり、実際に触れることが出来るので、ピアノを習っている生徒さんは音の出る仕組みや感覚を是非体験していただきたいと感じました。

    ピアノって外観の美しいフォルムもさることながら、中身も素晴らしいなあと思います。
    時代を追って、様々な改良が重ねられてきたピアノ、ますます興味深くなります。

    プログラム後半では、ジョン・ケージ作曲の「4分33秒」の上演もあり、現代音楽の中でもなかなかホールで体験する機会は少なく、貴重でした。
    改めて耳をひらくことを意識したワークショップでした。

    ピアノランドフェスティバル 行ってきました!

    2013/07/28

    本日、くまもと森都心プラザホールにて、ピアノランドフェスティバルが開催されました。
    年に1度、今年は全国5箇所で開催。
    今ではベストセラーとなったテキスト「ピアノランド」の著者 樹原涼子さんとピアニスト 小原孝さんによるトークを交えた参加型のコンサート。

    くまもと森都心プラザホール

    子ども達もステージ上でピアニスト体操をしたり、作曲レッスンなど盛りだくさんの内容に魅かれ、ワクワクしながら生徒さんとともに来場。

    テキストの中からパレード形式で人気曲の演奏がスタートし、美しい旋律の数々に思わずうっとり。
    また、録音応募、公開レッスンにて選ばれた子ども達による演奏や作曲の披露では、子どもの感性の豊かさに大きな可能性を感じました。

    通常のリサイタルとマナーは変わらないものの、内容は樹原先生の優しい語り口で温かい雰囲気とともにテンポよく進行し、2時間半があっという間に感じられました。
    途中、会場の皆さんで手話コーラスをしたり、歌ったり、この会場全体が音楽に包まれ一体となる瞬間は、やはり大変心地良いもので、その場にいる人しか感じることのできない贅沢な瞬間です。
    これが生演奏の醍醐味だなあと、コンサートに行く度につくづく思います。

    最後にピアニストの小原孝さんが編曲・演奏されたラヴェル作曲の「ボレロ」は大迫力で終始小刻みな心地良いリズムに乗って、視覚的にも音響的にも大変魅かれました。
    楽譜も出版されていますが、ご本人曰く、おそらく弾ける方はいないのではないか、、とのこと(笑)
    こう言われると、いつか挑戦してみたくなるものです♩

    一緒に行った生徒さんも、初めてのコンサートを楽しんでいただけたようで何よりです。
    こういう機会って大事だなあと改めて思いました。
    また来年はどんな内容のフェスティバルになるのか、楽しみです♩

    生徒がやめない!ピアノ教室

    2013/04/19

    六本木シンフォニーサロンにて、埼玉県草加市でピアノ教室を主宰されているますこしょうこ先生の出版記念セミナーが開催されました。
    そのご著書が「生徒がやめない!ピアノ教室」。

    表紙のピアノは先生が描かれたもの

    何と生徒数は85人、その数もさることながら、何より先生の愛情がひしひしと伝わってくる文章や言葉がとても印象的で、是非直接お会いしたいと思っていた矢先、運良く参加させていただくことができました。
    告知後すぐに完売になるほど人気の秘密は、益子先生の明るいお人柄や生徒さんの成長を我が子のように見守る温かい心、そして生徒さんの成長のために惜しまない努力の数々、本当に素晴らしいの一言でした。

    お教室を熊本市の自宅にオープンして、もうすぐ2年。
    この2年、生徒さんと共に成長していきたいと願い、日々のレッスンを試行錯誤しながらより良いレッスンをと取り組んできたつもりですが、まだほんの駆け出しで、さらにお教室を発展させるためにできることはまだまだたくさんあるのではないかと、また業界のあり方など考えさせられる内容でした。

    印象的だったのは、“人生時計”。
    私達ピアノ指導者は、お子様と殆どの場合幼少期から少なくとも5年、さらには10年と長い時間をかけてレッスンを通し関わっていきます。
    ますこ先生は、出会ってから最低10年は一緒にいようとポリシーとして掲げていらっしゃいます。
    一生の中での10年間は、人生80年としてほんの8/1。
    これを一日24時間に置き換えると、まだ睡眠中のほんの3時間程度。
    そのほんの一部の期間を音楽を通してその後の人生をより豊かにするためにお手伝いをさせていただく、そんな素敵なお仕事でもあると同時に、大きな責任が伴います。

    その10年の間には様々な壁があり、塾や他の習い事とのバランスや反抗期との向き合い方、その時々で本気で関わっていくことで築かれる信頼関係、教育者の本質を垣間見た気がしました。

    そして何よりも素晴らしいのは、年間最大の一大イベントであるコンサート。
    6時間にも及ぶ構成を、飽きることなく様々な工夫を凝らし、来場者にいかに楽しんでいただくか、また生徒さんや保護者の方々と共に一体となって創り上げるコンサートは、ご紹介いただいただけでも大変感動する素晴らしいステージでした。

    やはり生徒さんのことを一番理解されているのは保護者の方です。
    その保護者の方に尊敬と感謝の念をもち、時には相談し、その生徒さんが成長する過程でより良い方向へ導いていけるよう、心して指導していきたいと思いました。
    益子先生の、毎日ご多忙にも関わらず、その明るさと親しみやすさがとても魅力的で、楽しい、しかも収穫の多いセミナーとなりました。