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    ‘2011/10’ カテゴリーのアーカイブ

    モーツァルトの足跡 ザルツブルク①

    2011/10/24

    W.A.Mozart(1756-1791)

    ウィーン古典派の作曲家として名高いモーツァルトは、わずか35歳の若さで亡くなるまで、声楽・オペラからピアノ曲、管弦楽曲など、実に数多くの作品を作曲しました。その数は700曲以上に及ぶといわれています。

    そのモーツァルトが生まれたのが、ザルツブルク。

    ザルツブルクの街並み(ホーエンザルツブルク城より)

    生涯、ヨーロッパ各国を旅行し、その足跡やゆかりのある地を数回にわたりご紹介します。

    小路より

    まずは、モーツァルトが誕生した生家よりほど近いところに、1773年から1781年まで住んだ家があります。

    モーツァルトの住居

    第二次世界大戦で破壊されましたが、見事に復元され、中は記念館となっており、観光の中心として多くの方が訪れます。

    モーツァルトの住居

    オリジナルの文書や肖像画、当時使用していたハンマークラヴィーアやオルガンなどの楽器も展示されており、モーツァルトの歴史を垣間見ることができます。

    まだ、現代のピアノのように88鍵なかった頃、オルガン、チェンバロ、クラヴィコード、タンゲンテンフリューゲルが主流でしたが、モーツァルトがここで暮らした期間は、フォルテピアノへと移り変わる時期でもあり、のちにウィーンへ定住後に、このフォルテピアノを手に入れることになります。

    鍵盤楽器の歴史に興味がお有りの方にとっても、興味深い場所です。

    モーツァルトの住居 公式ホームページ

    http://mozarteum.at/en/museums/mozarts-residence.html

    【参考文献】

    ピアノの歴史/小倉貴久子著(河出書房新社出版)

    ブラームスの愛した故郷“ハンブルク”(2)

    2011/10/16

    前回のブラームス博物館に続き、今回は、そのブラームスが洗礼を受けた“聖ミヒャエル教会”をお伝えします。

    ブラームス博物館と目と鼻の先にあり、17世紀に建てられたこの教会ですが、落雷や火事、また第二次世界大戦の際にも大きな損害を受け、修復・改修を重ねて現在の美しい姿になっています。

    1833年5月7日に生まれたブラームスが、洗礼を受けたのがこの教会です。

    Die evangelische Hauptkirche Sankt Michaelis

    塔の高さは132m、展望台からはハンブルク市内の見事な眺望が臨めます。

    教会入口

    この教会では様々なコンサートが開催され、特にクリスマスの時期のオラトリオは、荘厳な雰囲気の中、身が引き締まる思いがします。

    教会内部には、4つのパイプオルガンがあり、音楽ともつながりの深い教会です。

    地元の学生合唱団や演奏家によるコンサートに一度足を運んでみると、ホールとはまた違った魅力があるかもしれません。

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    ブラームスの愛した故郷“ハンブルク”(1)

    2011/10/09

    ドイツ三大Bと称される作曲家に、Johannes Brahms(1833-1897)がいます。

    彼はハンブルクに生まれ、ピアニスト、指揮者として活躍し、また作曲家として数多くの作品を残しました。

    彼の生まれ故郷であるハンブルクの中心地に、ブラームス博物館があります。ブラームスの生家はこの近くにありましたが、戦災で焼失してしまい、1969年に設立されたインターナショナル・ヨハネス・ブラームス協会により運営されています。

    ブラームス博物館

    ここには、ブラームスの自筆譜や手紙、身辺小物や図書、彼がレッスンで使用していたピアノ、デスマスクや当時の写真などが展示されており、決して大きな博物館ではありませんが、内容は実に充実しており、また館内のおば様がブラームスについてや展示内容について親切に説明してくださいます。

    ブラームスの胸像

    自筆譜や当時の写真の数々

     

    ヨハン・シュトラウスとブラームス

     

    そして、なんと言っても感動的だったのが、ブラームスが当時レッスンで使用していたピアノを弾かせていただいたこと。

    もちろん年数も経過していますので、中には出ない音やチューニングも正確でない音もありますが、当時このピアノで彼がレッスンをしていたことを思うと、実に感慨深い思いがします。

     

    1848年製 ターフェルクラヴィーア

    鍵盤の重さもさることながら、音はアコースティックギターに近いような、弦を叩いている感覚がはっきりと手元に伝わってきます。

    ブラームスは人生の後半をウィーンで過ごしましたが、多くの手紙からハンブルクへの想いを垣間見ることができます。

    「私は、ハンブルクを想うと、とても懐かしくなると同時にすごく幸せな気持になる。もしそこに行った暁には、あの昔からよく知っている防壁や通りを歩き回りたい。」(1858年)

    音楽家との歴史とも深い関係がある港町“ハンブルク”。品があり、とても町並みが美しい素敵な街です。

    Brahms-Museum Hamburg

    Peterstrasse39,20355 Hamburg 

    www.brahms-hamburg.de