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    ‘世界音楽紀行’ カテゴリーのアーカイブ

    ポルトガルの心の歌 Fado ファド

    2011/08/10

    世界遺産 “ベレンの塔” Torre de Belém

    世界各国には、長い歴史の中で育まれてきたその国独自の音楽がありますが、シャンソン(フランス)、タンゴ(アルゼンチン)、サンバ(ブラジル)、カンツォーネ(イタリア)などとともに、ポルトガルのFado(ファド)があります。 

    このファドには、「運命」や「宿命」という意味が込められ、クラシックギターやポルトガルギターの伴奏で、その街を題材にしたものなどを歌い上げます。

    リスボンの街並み

    丘の上からコメルシオ広場を望む

     

    曲調としては、暗く悲しい旋律をイメージしがちですが、町を賛美したものなど数多くのファドがあり、その根底には、明日への希望やエネルギーを秘めた、正に魂を感じるような力強さがあり、その歌声には圧倒されます。

    ユーラシア大陸最西端 “ロカ岬 ”Cabo da Roca

    リスボン近郊 “シントラの文化的景観”

    ポルトガルの首都リスボンには、食事をしながらこのようなファドを楽しめるお店も多く、バイロ・アルト地区やアルファマ地区に点在しています。リスボン近郊には素晴らしい建築や、ユーラシア最西端、ロカ岬など、見所も多く、このファドに魅了されて訪れる方も少なくありません。どこか哀愁を帯びた、琴線に触れる旋律、独特のリズムと絶妙な間の取り方、日本でもファドを歌う女性シンガーがいるそうです。

    ファドの女王として知られる、Amália Rodrigues(アマリア・ロドリゲス 1920-1999)のCDも是非聴きたいところ。

    仏映画「過去のある愛情」Les Amants du Tageの中で使われた「暗いはしけ」は、彼女の代表作であり、サウダーデを見事に歌い上げ、今もなお国民的英雄として多くの人を魅了し続けています。

    ブレーメンの音楽隊

    2011/07/27

    ハンブルクから電車で約1時間、落ち着いた町並みと、通りを横切る電車通りが印象的な街“ブレーメン”。
    グリム童話“ブレーメンの音楽隊”で知られる街として定着していますが、そのストーリーは、飼い主に捨てられた同じ境遇のロバ、犬、猫、ニワトリが共に音楽隊に入ろうとブレーメンを目指すというもの。

    電車通り

    聖ペトリ教会 St. Petri-Dom

    旧市街の市庁舎横には、この音楽隊のブロンズ像が建てられ、ロバの前足をなでると願い事が叶うと言われています。多くの人がこのロバの足をなでながら願い事をする光景が見受けられます。 

    市庁舎横のブレーメンの音楽隊の像

    Popな音楽隊の像

     (実際には、ブレーメンへ向かう途中で見つけた家で暮らすことになり、結局はブレーメンへはたどり着いていません。)
     

    ロバ、犬、猫、ニワトリ

    街中ではこのような可愛らしいモニュメントを発見することもしばしば、すっかり市民に愛されるストーリーとして刻まれています。

    ショパンの過ごしたマヨルカ島

    2011/07/21

    スペイン・マヨルカ島の中心地、パルマ・デ・マヨルカから車で約30分、小高い丘の上に小さな村“バルデモサ”Valldemossaがあります。

    小高い丘にそびえるバルデモサ

    ここバルデモサは、ピアノの詩人といえるショパンF.F.Chopin(1810-1849)が恋人ジョルジュ・サンドと共に一時期過ごした場所でもあります。優しさと力強さの織り交ざった名曲、前奏曲Op.28-15 Des-dur「雨だれ」は、ここで作曲されました。

    カルトゥハ修道院

     

    二人が暮らしたカルトゥハ修道院(Real Cartuja)には、ショパンが使用したピアノや楽譜などが展示され、多くの観光客が訪れています。現在の天皇・皇后両陛下が訪問された時の写真も展示してあります。

    ショパンの銅像

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    書棚

    ショパンの使用したピアノ

    街全体は、やわらかな日差しに包まれ、建物と周りの大地は自然と溶け込みあい、花々の美しい色がとても鮮やかに彩りを添えています。その時代に想いを馳せながら、現地を訪問する、素敵な発見がたくさんあります。

    修道院からの眺め

     

     

     

     

     

     

    バッハの通った路

    2011/07/20

     ヨーロッパは、素晴らしい音楽を現在へと導き伝えてくれた偉大な作曲家の聖地でもあります。

    今回より、それぞれの作曲家の辿った路を、お伝えしていきます。まずは、バッハから。
     
    J.S.Bach(1685-1780)

    リューベックのシンボル “ホルステン門” Holstentor

     北ドイツのハンブルクより電車で約50分、ハンザ都市の中心として栄えた町、リューベック Luebeck には、バッハが足繁く通った“マリエン教会”があります。世界最大のパイプオルガンがあり、当時、この教会のオルガニストであるブクステフーデの奏でる音色に酔いしれ、休暇を延長してまで彼の演奏を吸収すべく通い、後の作品「トッカータとフーガ ニ短調」にも反映されているとされています。

    バッハの通ったマリエン教会

    パイプオルガン

     

    内部はゴシック様式の荘厳な造りになっており、このマリエン教会をお手本として建てられた教会も数多く存在します。

    荘厳な教会内部

     

     

    教会内