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    作曲家とその時代の音楽的語法

    本日から4回にわたり、【「四期」の知っておくべきこと】と題し、赤松 林太郎先生を講師に迎え、バロック・古典・ロマン派・近現代各時代の作曲家を取り上げながらその歴史的背景や奏法などのレクチャーが始まりました。

    初回は近現代から。

    楽譜に記されている記号自体は同じでも、その時代によって表現法が異なることを前提に、近現代では旋法のキャラクターや調性のもつ気分などが大きく関わってくるというお話は興味深く、時代の流れから解釈していく赤松先生のレクチャーは多くの例を取り上げながら大変分かりやすく学ぶものが数多くありました。

    この時代になってくると一層複雑になり感情を表すことが難しくなってきますが、絵や文学と同じく音楽でもその表現法は様々な形で表すことが可能ということ。

    本日のお話にもあったように普段意識しているつもりでも、ついおろそかにしてしまいがちな点は、

    ・音価の長いものを大事に、そこに意識を向ける(音符の差が価値に)
    ・伴奏だけで音楽をつくり、メロディは最後に。

    よく左手の伴奏も聴くように、と意識しても、それだけで音楽をつくるには至っていないことが多々あることに気付き、勉強になりました。
    そう意識して伴奏だけ弾いてみると、これがまた美しいんですね♪

    そして更には
    ・休符に表情をもたせる

    それぞれの休符の捉え方によって次の音に責任をもつというお話は、音楽家・指導者として常に意識しておかなければならない点だと痛感しました。

    また、
    伴奏に気分を表す

    先程の伴奏だけで音楽をつくる、という点と相反するようですが、歌わず、間の取り方や音色の変化などを上手く取り入れながらセンスよく作り上げていくということ。

    特にバルトークに関しては、言語や民族性に関わる部分が大きく、ハンガリー語にヒントを得てバルトークの音楽を解釈していくお話は大変参考になり新鮮でした。
    また赤松先生の演奏されるバルトークのかっこいいこと!!
    これを機にバルトークに対する興味が増し、演奏してみたくなりました♪

    他にも数多くの細かい奏法や、ペダリング、記号の解釈の仕方など、短時間に余すことなくレクチャーしていただき、今回もまた収穫の多いセミナーとなりました。
    次回を楽しみに待ちたいと思います。

    お話を伺いながら、調性、和声を感じながら弾くことの大切さを改めて実感するとともに、それを生徒さんにどれだけ分かりやすく伝えられるか、そこにピアノレッスンの意義があるように思います。

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